8地域の断熱について 〜温暖地・奄美の断熱を考える〜

日本全国は、気候条件に応じて1〜8地域に区分されており、この地域区分により住宅の断熱基準が定められています。8地域は、最も温暖な地域に該当し、沖縄本島以南の南西諸島や奄美地方がこれに含まれます。

8地域の特徴とは?

8地域は年間を通じて気温が高く、冬でも暖房の必要性が少ない地域です。断熱性能が高すぎると夏場に熱がこもり、かえって不快になることもあるため、寒冷地とは異なる断熱の考え方が必要です。

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夏の暑さ対策が重要!

断熱というと「寒さを防ぐ」イメージが強いですが、8地域では「夏の暑さ対策」こそが重要です。直射日光や熱気が屋内に侵入するのを防ぐ「遮熱」の考え方が求められます。

たとえば、

  • 屋根面に遮熱塗料や通気層を設ける
  • 窓ガラスにLow-E複層ガラス使用する
  • 庇や窓の付属部材(外付けのブラインドやシェード、ハニカムスクリーン)を設ける
  • といった工夫が、住まいの快適性に大きく影響します。

    省エネ基準との関係

    現行の省エネ基準では、8地域は断熱等性能等級の適用義務が限定的であり、新築住宅においても「断熱材なし」が法的に許されます。しかし、奄美も冬は寒いです。快適な住宅を考える上では、断熱は必要です。

    奄美での現場対応例

    弊社では、8地域の特性を踏まえ、

  • 屋根:遮熱材付きの通気垂木+ガルバリウム鋼板

  • 外壁:通気工法+遮熱透湿防水シート

  • 窓:日射遮蔽型のLow-Eガラス+アルミ樹脂複合サッシ、庇や窓の付属部材
  • といった仕様を採用することで、冷房効率の向上と夏の不快感低減を実現します。

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